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先輩は今、教育大学准教授。
ノースウッド米語コミュニケーション学院は、今年で創立45年。
県内外からいろんな年代の卒業生の方が、里帰りやお仕事で近くにお見えになった時に、学院を訪ねてくださって思い出話に花を咲かせています。
先日、篠崎先生も母校での講演会があり、学院にお立ち寄りくださいました。
見送りの際、『在校生のみなさんへ是非お話を聞かせてください!』とインタビューを依頼したところ、突然の申し出にも関わらず快くお受けくださり、今回の機会が実現しました。

【1. ノースウッド学院時代について】
・当時、どんな生徒でしたか?ノースName※1覚えていますか?
小学生のころは、正直なところ真面目な生徒ではなくて、そんなにちゃんと英語学習に取り組めていなかったと思います。
ただ、中学生になり、文法をしっかり教えてもらったり、音読を徹底するよう指導されたりして英語力が伸びていった感覚があります。
学習は不十分だったかもしれませんが、小学生のときに音声を中心に慣れ親しんでいたから「なんとなくの理解」から「正確な理解」に抵抗なく接続できたのだと思います。ちなみに、ノースでの名前はWade(ウェイド)でした。
※1 昔、ノースウッドでは入学すると“ North Name ”を先生が考えた学院内での呼び名を黒板に書き出し、好きな名前を選んで共有していたそうです。
ちなみに、なぜなくなったのか?North Nameと本名がリンクせず、卒業生が増えるほど混乱することが増えたからだそうです(笑)
・教育の道に進もうと思ったきっかけを教えてください。
何かを誰かに教える、ということが好きでした。自分に何が教えられるか?と考えたときに、英語に高い関心があり、好きだったのでその方向で考え出した、ということです。明確に決まったのは18~19歳の頃です。高校3年生の序盤に、ノースウッドで留学先を紹介いただいたことがきっかけで留学をしました。
・学院で学んだことで、今でも役に立っていると感じることは何ですか?
体系的※2に英語を学べたことです。「英会話だけ」ではなく、「英文法だけ」でもなくバランスよく学べたという経験が、今の仕事(英語教師、英語教育学研究者)にも生きています。
※2 体系的とは…「整理されていて分かりやすい」、「筋道が通っていて論理的」、「物事が一貫性を持って整然と並んでいる」
・当時のご自身に一言かけるとしたら、どんな言葉をかけますか?
《図書室にある英語の本を読もう!》あと、できれば《スピーチ大会などに出られるようにしよう!》
学習の土台となる“読む力”と“伝える力”
《図書室にある英語の本を読もう!》
ノースウッド学院には、皆さんご存じの通り、たくさんの英語絵本や書籍がそろっています。これほど多くの英語だけで書かれた本を、いつでも手に取り読める環境は、なかなかありません。
先生は学院に在籍されていた頃、今よりもっと多くの本が並んでいたと振り返りながら、「当時は読書の重要性を十分に理解できていなかった」とお話しくださいました。
そして、「学習の基本は本を読むこと」と強調されます。
読書を通して文章を理解する力が育つことは、英語に限らず、国語や数学など他の教科にも共通しています。書かれた情報を正確に読み取り、自分の考えを組み立てる力は、すべての学びの土台となるからです。
本に触れる時間を大切にすることが、学習全体を支える確かな力につながる——先生はその重要性を繰り返し語っておられました。
《スピーチ大会などに出られるようにしよう!》
また、“話す経験”の大切さについても触れられています。
ノースウッドではコロナ以前、小学生PLSの部と中高生の部に分かれて、年ごとにスピーチ大会を開催していました。半年以上かけて準備する、大きなチャレンジです。
当時は積極的になれなかったと先生は言いますが、今振り返れば「とても良いチャンスであり、大きなきっかけだった」と感じているそうです。
スピーチやプレゼンテーション、ディベートといった場へ挑戦することで、考えを整理し、他者へ伝える力が育ちます。自分の言葉で説明しようとする過程には、多くの学びと気づきがあります。
英語という言語はもちろん、言語そのものは“相手に聞いてもらい、自分の考えを伝える”ためのものです。
その意味で「伝える力」は、教科学習だけでなく、これから社会を生きていくうえで欠かせない力だと語られていました。
【2. 現在のお仕事や活動について】
・現在はどのようなお仕事をされていますか?(担当科目・研究分野など)留学中に、(どちらかというと)大人に英語を教えたい、研究がしたいと思い、帰国後、大阪教育大学の大学院(修士課程)に入りました。その後、8年間、大阪教育大学附属天王寺中学校で英語科教員をしていました。現在は、大阪教育大学の教員養成課程に所属し、主に英語科教員をめざす学生などの指導を行っています。現在5年目です。また、非常勤講師としては近畿大学で英語授業を、関西学院大学では英語科教育法を担当しています。研究としては、現在は特にICT活用に関わるテーマで、脳活動を計測したり、得られた知見を授業実践に応用したりしています。
・教育の現場で大切にしている考え方・信念はありますか?
特に学校の場合は、人間教育としての英語教育ということを忘れずに英語授業を捉えています。「なぜわざわざ学校で英語を学ぶのか?」といったことです。また、英語の実践場面や、英語そのものの面白さにも当然ながら注目する必要があると思っています。
篠崎准教授の活動や研究はたくさんありますが、いくつか簡単にまとめてみました。
研究・論文の主なテーマと特徴
-
スピーキング力・発話力の育成
「英語プレゼンテーション」「ディベート」「即興スピーチ(improvisational speeches)」など、生徒・学生が“話す”力を伸ばすための教授法の研究。 -
ICT/オンライン・コンピュータ媒介コミュニケーション (CMC) を使った英語教育
オンラインや ICT を活用した授業や非同期コミュニケーション (asynchronous communication) を通して、生徒の英語コミュニケーション力や学習意欲を高める方法について。 -
協同学習・プレゼン/ディスカッション型の学び
単なる教科書中心の授業ではなく、生徒同士のやりとり、討論、発表などを通じて“思考する力”“伝える力”を育てる学習デザインを追求。
英語学習において単なる文法や読解にとどまらず――「話す」「伝える」「協力する」という実践を通してこそ、本当の言語能力や思考力は育まれる。
ICTやオンライン授業、ディベートやプレゼンといった指示を待つのではなく、自らの意思で課題を発見し、積極的に物事に取り組む“学び”を通じて、生徒一人ひとりの英語力だけでなく、コミュニケーション力や表現力、主体性を育てる教育のあり方を追求しています。

【3. ノースウッド学院での経験とつながり】
・学院での学びや経験が、今の自分にどうつながっていると感じますか?これまで人生の大きな岐路では、英語が大きなキーワードとなり、まさにノースウッドに通っていなかったら今の自分はなかったと思います。
・当時の先生方や仲間から学んだことで、今も意識していることはありますか?
英語学習について言えば、しつこいですが「音読」の大切さです。ノースウッドでもそうですし、その後の自分の周囲の人や生徒を見ていても、高い英語力を持っている人は、もれなく音読をしっかりやってきた経験がありました。これは、単語を覚えるときも、文法を覚えるときも同様で、音声を大事にするということです(もちろん書くということ
も大切です)。
「楽をしたいなら音読。苦手じゃなくなるには音読。」
インタビューの中で、先生が何度も繰り返していた言葉です。
先生は、英語学習において「音読を繰り返すこと」が何より効果的だと強調します。声に出して読むことで、語彙や文の流れが体にしみ込み、理解がより確かなものになるからです。
音読には、文章を目で追うだけでは得られない大きなメリットがあります。声に出すことでリズムやイントネーションが自然と身につき、文の構造も感覚的に理解できるようになります。さらに、声に出して読む経験を重ねることでスピーキングへの抵抗感が減り、自分の言葉で表現する力にもつながっていきます。
「読み、理解し、声に出す」
この一連のサイクルが、英語の基礎をしっかり支える——准教授はその重要性を繰り返し語っていました。
英語学習は “目・耳・口” を総動員するもの
英語は、目で読むだけでは身につきません。目・耳・口を総合的に使うことで初めて、本当に使える英語力が育つといいます。この考え方をシステム化したのが PLS児童英語教授法 です。
自分の言いたいことを英語で表現することを中心に、1回のレッスンで10個以上のアクティビティをスピーディーにこなし、ネイティブスピーカーの外国人講師と“実際の会話スピード”でやりとりする——その積み重ねが、会話に困らない本物のコミュニケーション力につながります。
口と耳で英語を覚えてしまえば、知らない単語でも推測して読めるようになり、日本人がよく間違える RとL、VとB の発音も、耳でしっかり聞き分け、口や唇を正しく動かして話せるようになるため、自然とミスが減っていきます。
これは北林学長が常に伝えてきたことでもあり、今回のインタビューを通して改めて「音読の力」を再認識する機会になりました。
・今振り返って、「この学院で良かった」と思う瞬間はありますか?
北林学長の英語教育に対する熱い思いが各先生、生徒に伝わっていたことだと思います。英語教育を専門的に学ばれ、実社会でも英語によるコミュニケーションの重要さを経験されたという裏付けは説得力のあるものでした。私は現在大阪市に住んでいますが、近くにはノースウッドのような場所がなく、残念に思っています。
【4. 在校生へのメッセージ】
・今、学院で学んでいる生徒たちに伝えたいことはありますか?高い英語力を身につけたいという人は、ノースウッドや学校での授業を大切にしながら、それ以外の時間を少しでも確保し、英語学習を「なんとなく」ではなく「しっかり身につけるんだ」という意識のもと続けてください。何をすればよいか分からない人は、学校で使っている中学1年生から3年生の教科書の本文を、単語や文法、文の意味が可能な限り分かる状態にして、主に音読を通じてすべて暗唱してください。これが最低限だと思います。
・学生時代にやっておくと良いと感じることはありますか?
英語を使って自分から話しかける、話を広げる練習です。これはノースウッドでできます。英語という外国語を通じてコミュニケーション能力を高めるんだという意識が大切です。こういう経験が英語学習のモチベーションを高め、基礎的な学習にも力を入れやすくなると思います。また、言語自体も文化と密接な関係がありますが、多様な文化を学んだり、言葉が使われる背景に着目したりすることも大切だですね。
・夢や目標を見つけるためのアドバイスをお願いします。
職業というより、まず「どんな人になりたいか」を考えることが大切です。自分が大事にしたい価値観や、どんな生き方をしたいかをイメージすると、目指す方向が見えてくるかもしれません。特に、色んな人に関わるということが大事だと思います。

【5. 保護者へのメッセージ】
・教育者として、保護者に伝えたいメッセージはありますか?
英語学習に限りませんが、お子さんが学校やレッスンで学んでいる内容に関心を持ち、そのことを題材に日常的に話をする時間をもつことは、とても大切だと思います。
ここでいう“話をする”とは、テストのように正解を求めたり、できるかどうかを試すことではありません。
「今日はどんなことをしたの?」「それってどんな意味??」と、送迎の間や日常の自然な会話の中で、お子さんが学んだことを自分の言葉で説明したり、感じたことを話したりする機会をつくることです。
こうした何気ない対話は、理解を深めるだけでなく、「学ぶって楽しい」「自分の話を聞いてもらえる」という自信にもつながります。
一方で、どうしても学校のテスト結果は気になってしまうものです。
しかし、定期テストで測れるのは学力の“ごく一部”に過ぎません。テストは、点数化できる一瞬を切り取ったものにすぎず、お子さんの思考力や表現力、学ぶ姿勢、わからないことに向き合うといった大切な力は、数値としては見えにくいものです。
だからこそ、テストでは映らない部分に目を向けることが必要で、日常の会話の中で見える「言葉で説明しようとする姿」「自分なりの考え」こそ、長い目で見ると大きな成長につながると思います。
・ご自身の経験から感じる、「子どもを支える上で大切なこと」は何ですか?
先ほどの内容と同様、特に小学生以下のお子さんにとっては、日本語でも英語でも「本の読み聞かせ」が家庭で取り組みやすい学びの入口になります。読み聞かせは、ただ文字を追うだけでなく、言葉のリズムや物語の世界を自分なりにイメージすることが自然とできる貴重な時間です。もちろん、そのまま読み上げるだけでも十分価値があります。ですが、もし余裕があれば、本の内容をきっかけに少し会話をしてみると、学びの深まりがぐっと大きくなります。
「どこが面白った?」「次はどうなると思う?」など、物語を介して考えたり気持ちを共有したりすることで、言葉への理解だけでなく、考える力や感情面の成長にも良い影響が広がるといわれています。
【6. 最後に】
・卒業生として、学院への想いをひとことお願いします。私も大変お世話になりましたが、友人も多方面で活躍中で、ノースウッドでの学びや出会いは一人ひとりの人生の一部になっていると思います。引き続きたつの市の英語「教育」をお願いします。
今回のインタビューを通して、あらためて「学ぶことの基本って本当にシンプルなんだな」と感じました。
・本を読む
・声に出して学ぶ
・自分の言葉で伝える
先生のお話はご自身の経験を踏まえた実体験に基づいたお話で分かりやすく、やさしく柔らかいお話の感じがより聞き手を引き込む感じが、先生の先生ってやっぱりすごいな…と思いました。
テストの点だけでは見えない部分を大事にすることや、日常のちょっとした会話や読み聞かせが子どもの力につながるという話は、学習だけにとどまらず“会話の大切さ”という点が私自身にも響き、気づかないうちに大切なことを見逃していたかもしれないな……と振り返るきっかけにもなり、日々のコミュニケーションの取り方をもう一度考えるきっかけにもなる時間でした。
なにより先生と話していて一番感じたのは、英語学習に対する考え方が、北林学長がいつも言ってることと一緒で驚きました!やっぱり、正しい学び方って共通してるんだなぁって改めて納得しました!
お忙しい中お時間調整いただき本当にありがとうございました。

篠崎 文哉(しのざき ふみや)
大阪教育大学 教育学部 英語教育部門 准教授
6,7歳ごろから高校卒業直後までノースウッドで英語を学ぶ。
【学歴】
2023年4月 - 現在関西学院大学 大学院教育学研究科 博士課程後期課程
2010年4月 - 2013年3月大阪教育大学 大学院教育学研究科 英語教育専攻 修士課程
2008年1月 - 2009年12月ハワイ大学マノア校 Interdisciplinary Studies:
Second Language Studies
2006年4月 - 2007年9月トランスパシフィックハワイカレッジ
2003年4月 - 2006年3月兵庫県立相生高等学校 国際情報コース
【経歴】
2025年4月 - 現在大阪教育大学 准教授
2024年9月 - 現在関西学院大学 非常勤講師
2022年4月 - 現在近畿大学 非常勤講師
2021年4月 - 2025年3月大阪教育大学 特任講師
2022年9月 - 2023年3月京都工芸繊維大学 非常勤講師
2019年4月 - 2021年3月大阪教育大学 非常勤講師
2016年4月 - 2021年3月大阪教育大学附属天王寺中学校 教諭
2013年4月 - 2016年3月大阪教育大学附属天王寺中学校 常勤講師
専門領域は、英語教育学。近年の論文に、“Integrating Face-to-Face Instruction and Asynchronous Communication to Foster Community of Inquiry in English Learning”(Language Teaching Research)や“Social presence and other individual differences in asynchronous English communication”(International Journal of Applied Linguistics)などがある。
英検1級。中学校英語教科書『NEW CROWN English Series』(三省堂)編集協力委員。
2025年11月25日 19:14






























